- 大阪市都島区(みやこじまく)や兵庫県芦屋市にある、鵺(ぬえ)の死体を葬ったと伝えられている塚。
- 鵺とは、本来はトラツグミの異称。人の悲鳴のような鳴き声が平安時代の人々には不吉に聞こえ、凶鳥とされた。
- 鵺塚に祀られている鵺は鳥ではなく、猿の頭、狸の体、蛇の尾を持ち、虎の手足をした怪物。鳥の鵺と似た鳴き声をしていたようだ。
- 怪物の鵺も、分類的には妖怪ではなく鳥らしい。
- その昔、近衛天皇の命で源頼政が弓矢を用いて鵺を退治した。鵺の死体は、うつぼ船(巨木をくりぬいて空洞にした丸木舟)に乗せて川(淀川)に流されたという。
- 弓の名前は「雷上動」(らいしょうどう)。宇治の平等院の塔頭(たっちゅう)・浄土院に納められている。平等院ミュージアム鳳翔館で展示されたこともあるらしい。一目見てみたいものだ。
- 頼政は鵺を2本の鏑矢で射落としたが、その矢の名前は「水破」(すいは)「兵破」(ひょうは)という。京都の神明神社に、2本の矢の「やじり」が宝物として奉納されている。
- グラブルのネクタルの解放武器が「雷上動」だった。10年以上グラブってるけど、キャラ武器の名前とか憶えてない…
- やがて船が流れ着いた土地に住む人々は、鵺の祟りを恐れ、塚を築いて葬ったとのこと。
- 退治された鵺がどうなったか、どこに流れ着いたのかは所説あるらしい。
- 清水寺に埋葬された、浜名湖に落ちてきた、馬に生まれ変わったなど。
- 大阪湾を漂流したことから、水辺と縁が深いという理由で大阪港の紋章のサポーターに鵺が採用されている。体は狸ではなく獅子に変えられてしまったようだが…
鵺塚
投稿日:2025年9月19日 更新日:2025年9月20日
参考文献
- 『日本の妖怪 図解雑学』小松和彦/ナツメ社
- 『鵺』Wikipedia
- 『ぬえ塚』Wikipedia